フィジカルパフォーマンストレーナーのイシイです。
世間を賑わせている悪質タックル問題。
この問題に関して、あえてどこの場でも話題にしないで来ました。
おい、コラ指導者。
と何度も言葉を飲み込み拳を硬くした。
監督側と選手側に言葉の乖離があった?
ふざけるんじゃない。
乖離があったとするならなぜそのプレーがあった直後にその選手を咎めなかった?
わずか5分で3度の反則行為。そんな選手に対してなぜ何もない?映像では労っているようにすら見えた。
咎めなかったのも、乖離が起きてしまったのも全て自分の責任。
違う。
聞きたいのはそこじゃない。
どうしてそこまでその選手を追い詰める必要があったのか。反則行為と知っていてそれを遂行しなければならない状況に追い込まられた選手の気持ちがわからないのか。
幸い、相手の選手も軽傷で後遺症もなく復帰出来るようだが…アメフトなんてやらなければ良かった、とこぼしてしまうほど彼の心に身体の痛みとは計り知れない深さの傷を付けたことは間違いない。
けれど、その軽傷で済んだ云々のニュースを耳にしたあとから、加害選手の彼の方が心配でならなかった。
彼の罪悪感は誰がどんな言葉をかけても消えることはない。彼はきっと一生背負っていく。選手として復帰出来ないくらい傷付いているかもしれない。
指導者は
(アタシはトレーナーだけど)
選手の人生半分背負っていると思えと教わった。言葉の乖離があったと貫くのであればなおのこと『自分の言葉が足りなかった、選手に申し訳ないことをした』といの一番に謝罪して欲しかった。それでどれだけ加害選手である彼が救われることか。
何が真実かはわからない。
けれどもし、被害にあった選手に重度の後遺症が残ってしまっていたら?打ち所が悪くて死亡してしまうようなことがあったら??
あなたの大切な選手は、
言葉の乖離があったというあなたの指示通りのプレーであわや殺人犯になりかねなかった。それくらいの危険性も孕んでいたことをあなたは認識しなければいけない。
反則行為とわかっていてあなたの指示通りに動いた選手を馬鹿正直だと嗤うのですか?
それはあんまりでしょう…人間のすることじゃない。
『やならければ良かった』という後悔が
どれほどツラいかわかりますか?
『やっておけば良かった』という一歩踏み出せなかった後悔もタチが悪く、いつまでもチクリチクリと心を苦しめるものですが…この場合これはアテハマラナイ。
やらなければ良かった。
やったからこそ、気付いたこと成長出来たことも勿論ある。それでもやらなければ知らずに済んだこともあったり…そのことが余計に自分を苦しめたりして。
トドノツマリ。
人間は我儘な生き物であることに間違いはない。けれどこの場合の『やらなければ良かった』は被害選手側と加害選手側で同じ言葉を口にしたとしても、想いも種類も何もかも違う。どうして2人は大好きなアメフトでここまで深く傷つき苦しまなければならないのか。
そこで、冒頭に戻るわけです。
おい、コラ指導者。
あなたは心からアメフトを愛していないのか。自分の選手を心から愛していなかったのか。愛していたと言うのならそれは歪んだ愛だ。地位や名誉、勝利のみに取り憑かれた、歪んだ愛。
指導者っていうのは、
選手の人生を半分背負ってるんだよ。
そのくらいの覚悟持って向き合ってんだよ。
フィジカルなんてトレーニングなんていくら嫌われてもいい。競技そのものを嫌いにならなければ。選手が大好きなその競技を大きな怪我をすることなく競技人生を全う出来るなら。
アメフトもラグビーも。
危険なスポーツ
だとうイメージだけが先行してしまわないことを願うばかりです。
ラグビーの指導者の皆さん。
明日は我が身です。
ラグビーは違う!紳士なスポーツだ!
そうかもしれません。そうです。でも。
スポーツ全般がそうでなければならないんです。2019年のラグビーW杯日本大会🇯🇵でラグビーやアメフトだけが危険なスポーツではないこと、体をぶつけることで生まれる責任感や友情…スポーツの持つ素晴らしさを伝えられるように。
選手や関係者だけじゃない。
四年に一度じゃない。一生に一度だ、と言うならもっともっと全国民を巻き込めるような、たくさんの人が進んで巻き込まれてくれるようなものを考えないと。
そんなことを思いました。
Physical Trainer イシイの熱血宣言 ~A rolling stone gathers no moss~
フリーランス フィジカルトレーナーのISHIIです。 全てを融かすくらいの情熱を持ち、 周りを巻き込み火を付ける導火線のように。 Action! Spark! Passion!!
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